激流

第43話

スマホでこれから行くとメッセージを送れば、すぐに既読が付く。メッセージ画面を開けていたままだったのかと思うくらいのその速度に笑っていれば、学食で席を取って待っていると返信が着た。


一花だけならまだしもそんなに知らない子たちを待たせるわけにはいかないから急ぎ足で学食に行けば、ガヤガヤしているそこで一際うるさい場所を発見。



「うわー、アレにツッコむの?」


「…ごめん。」



嫌そうな顔の律に激しく同意。一花が座っていると思われる6人がけテーブルを囲むように人だかりができていて、その中心人物が話すたび、場がどっと沸いている。


一花の周りに人が集まるのは結構いつものことだからその中心人物が一花だと気付いたけど、知らなければ人の多さで気付かずに素通りしてしまうところだ。



今日は特に多い。多分一花がようやく学校に復帰したせいだろう。



「僕うどんが食べたい。みおんは?」


「え?」



いつの間に移動していたのか、食券機でうどんのボタンを押す律はまだランプが点灯しているボタンを指さしている。



「奢ってあげる。可哀想だから。」



ニッコリ笑ってそう言う律の毒に、思わず苦笑いが零れる。


「こういう時って、迷惑かける私が奢るものなんだと思うんだけど。」


「それは放課後のスムージーって決まってるから。」



予想通りだし、と次がれた言葉が指すのはどうやら、ほぼ同時に私が押したうどんの食券のことらしい。



180円のうどんだって、めちゃめちゃ美味しいんだから。見抜かれていた遠慮が恥ずかしくて、なるべく機嫌が悪い風を装う。

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