第42話
「はぁ。」
そして昼休み。教科書を教室の後ろにあるロッカーになおして沸き上がり続けるため息を惜しげもなく吐き出す。
「ため息つくくらいなら断ればよかったのに。」
「うっさい。」
ニヤニヤとからかうのは律だ。私と律の席はそんなに離れてないのに、さっき一花がきた時は知らんぷりを決め込んでいた薄情な奴。
律は一花が嫌いだから、できるだけ寄り付かない。一花もそれを感じているのか、律に話しかけることはあまりなかったりする。
誰彼構わず話しかけてすぐ虜にしてしまう天使一花ちゃんでも、苦手な部類があるということなのかな?
「まぁそんなむくれるなって。僕もついていってあげるから。」
「律最高。愛してる。」
真顔で平坦な声で言ったにも関わらず、なぜか周辺が沸いた。チラリと周りを見れば、少々浮わついた雰囲気が感じられて、またかと内心舌打ちをする。
「知ってる。行くぞ。」
ふ、と余裕の笑みを浮かべて私の頭を撫でた律。所作だけならかっこいいのに、相手が律なのが残念すぎる。
できれば俳優の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます