第41話

「私と一花だけ?」



そこはマストでお願いしたくて、完全な願望を疑問系にしてみれば。



「ううん。健介と他に2人特進の子がいる。」



明らかに余計な人数が参加するという、ある意味予想通りの解答が。しかも健介だけならまだしも、特進、特別進学コースの女子2人までいるのがなぞだ。



「相談するんじゃないの?」


「うん、そうだけど?」



少々非難の意味も込めて言ってみても、キョトンとしている一花は一生分かってくれそうになく。



ため息を吐いたところで授業の時間を知らせるチャイムが鳴った。




「わわっ、もうこんな時間だ!じゃあ美音ちゃん、昼休みにね!」


「え?ちょっと!」




まるで映画のように行かないで!と手を出している私をまるっと無視して、一花はクラスのみんなにお邪魔しましたーと言いながら去っていく。



どうやら彼女の中で私が昼休みの約束に応じるのは決定事項のようで、あと2時間で昼休みなことを考えると、もはや断れないことは明白だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る