第28話

「美音。」



呼ばれた方を見ると、会いたくもない人が爽やかな笑顔で立っていた。



「おはよう。健介けんすけ。」



沢村 健介さわむら けんすけ。沢村建設の会長の孫で、この学校の生徒の中でもトップクラスの家がお金持ちな人。


健介のおじいさんは、食品会社の社長であるうちのお父さんとどんな繋がりがあるのか分からないけど、昔からよくパーティーとかで会う人の1人だった



沢村建設は会長がおじいちゃん、社長がお父さん、後継者が健介と、親子で大きくしてきた叩き上げの会社。



元々大工だったひいおじいさんが興した会社は今や大企業にまで発展している。



健介のお母さんは彼のお父さんが出張で海外に行った時に知り合い、意気投合したというイギリス人。



だからか、子供の健介はマロン色の髪色に薄いブラウンの瞳という、王子さまみたいな外見だ。



身長も178センチくらいらしい。お父さんやおじいさんの血もしっかりひいているのか、がたいも良くて筋肉質だったりする。

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