第25話

涙目になる私を鼻で笑って、律は窓の外へと視線を移す。



「僕には無理だな。」


「…そうね。」




私も窓の外を見て、律に同意する。


律は一花が苦手だ。本人曰く性格の不一致なのだとか。彼の場合苦手というより、むしろ嫌い寄りだと思うのだけど、そこは深く考えないことにしている。



親友の一花と、友達の律。比べるものでもないし、どちらか一方を切り捨てる必要もない。


学校でしか会わない律と日常的に一緒にいる一花じゃ、住み分けというか、3人一緒にどうこうすることもないんだから。




それに、律といると、”息ができる”。




日常で感じている息苦しさを忘れられるから。




「まぁ、みおんがいいならいいけど。」


「…うん。」



お互い、外を見たまま言葉だけ交わす。それでもはっきり、律がそこにいてくれているのが分かる。息もできる。



大切な、友達。

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