第21話

その日は、私の戸惑いに気づくこともなく、早めに帰宅したお父さんも合流して、一花の歓迎パーティーが行われた。



豪華な夕飯を見て思う。きっとこれは両親の中では決定事項だったんだろうなって。



一花も一花でそれを普通に受け入れてはしゃいでいたから、彼女の中でもきっと、私が受け入れないという選択肢はなかったんだと思う。



こういう時、普段から表情に乏しいのは便利だと思った。



私が内心、どんなに醜いことを考えているのか知らないで、”家族3人”は楽しそうに笑い合っている。



時々、同意を求めるように私を見るけど、少し笑って頷くだけですぐに視線は外された。




そこで気づいた。あー、私、もう気付いていたんだって。

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