第17話

私も一応、男子に人気があると言われているらしい。それは一花からの情報だからどれほど信憑性があるのかは分からないけれど。



父親が会社の社長をしていて、見た目もそんなに悪くないと思う。すぐに暑がるたちなせいで短く切ったショートカットは気が強そうに見えるらしく不評らしいけど、一花の人気と相まっていつも一緒にいる私たちは学校一の人気者とまで言われていると。



だからと言って、それを鵜呑みにするほど私は馬鹿じゃない。



一花の人気は本物だろうけど、私はただの付属品でしかなく。



結局は一花に取り入るために私と仲良くしていて損はないだろうと考えている日とが多い印象だった。




だけど、それで人生悲観するほど、私はネガティブな人間じゃないらしい。




一花を抜きにしても仲の良い友達はいるし、少数だけど本気で私に好意を示してくれていたと思えた男子もいる。


一花は一花、私は私。そう割りきってこれまでやってきた。

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