第8話

頭の整理がつかないまま、シャワーを止めて脱衣所に出る。きちんと洗濯されたふわふわのバスタオルに顔を埋めれば、少しは気が晴れたような気がした。



一通り拭き終わってそのまま同じバスタオルを体に巻き付けた。帰ってそのままお風呂にきたから部屋着はもちろんパンツさえない。



でも今はお父さんもいない時間帯だし、いつも全然やっていることだから気にすることもなくそのまま、2階にある自室に行った。




ドアを開ければやっと、ホッとできる場所に来れた気がする。自分のものだけで溢れているこの空間だけが唯一、気が許せる場所だった。




「はぁ。」



朝脱いだままだった部屋着をその辺に投げ捨ててあるのを一瞥して、一応来客中ってことでガウチョパンツとTシャツを着る。ちょっと【その辺のコンビニにスタイル】の完成だ。




とりあえず、ベッドの上に腰かけて、さっきのお母さんの爆弾発言について考えてみる。



「そういう、意味、よね?」




どんな捉え方をしても同じ意味に繋がってしまうのだから、そういうことなんだろう。



思わず苦笑いをこぼした私は、気がついてなかった。立ち上がって部屋を出ようとする時、とても不安そうな顔をしていたことに。

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