第45話
「友達には説明したんだけど、まだ半々くらいで私が相田くんの彼女って思ってる人がいる印象。」
購買前の食事スペースで自作のお弁当を食べながら穂乃花が不機嫌そうに言った。それに松木がうんうんと頷き、秋田がどっかの探偵みたいに顎に手を添えて考え込む。それを横目でなんとなく見つつ、食後の菓子パンを食べながら未だにプリプリ怒る穂乃花の口元を見ていた。
ちっせー。柔らかそー。
「ねぇ知世くん、聞いてる?」
「はへ?」
うわ、可愛い唇がムッとしてる。可愛い。もはや可愛いしか出てこない僕の額を、真向かいに座っている穂乃花が身を乗り出してデコピンした。
かわい…いや、ほんのちょっぴり痛い。
「聞いてる。噂のことだろ?広がりが早くてビビってるわ。」
「…ちゃんと聞いてるし。」
座り直した穂乃花がふてくされたように卵焼きを半切れ食べる。もぐもぐもぐもぐ。うん。もう言わん。きりがない。
それに、言ったことは正直な感想だ。
相田が積極的に拡めたんだろうけど、流石に噂の広まり方にビビっている。昨日今日のことをこんなにみんなが知ってるもんなのか?まぁクラスのグループチャットもあるし普通のことなのかもしれないが。
それに、この感じを見ると僕と穂乃花のこともすぐに広まるのか?そしてなにより一番嫌なのが、愛咲みたいな二股説を唱える奴が出てくることだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます