第23話

「朝イチでクラスで聞いたとか?」


「らしいよ。すぐメッセ飛ばしてきたし。」



ということは、本人から聞いた可能性大だ。ただ、相田と飯倉…いや、穂乃花は違うクラスだ。まだほ、穂乃花本人が否定したわけじゃないから…なんて、淡い期待を捨てきれない。


でもなんだかどこか他人事で。



「そんなのデタラメじゃねーの?」



ついそう言っていた。



「なんで?本人がそう言ってたらしいから確定でしょ。」


「確かに。本人発信ならただの噂ってのはないだろうな。」



なぜか松木に秋田が加勢。否定したいのは僕だけみたいで、恥ずかしさと信じたい自分のせいでなんとなくムッとしてしまう。



「別にほ…飯倉本人から聞いたわけでもなし。それとも2人がキスしてたとかそんなんでもないんだろ?」


「なんだよ。強気じゃん。」




ふーん?とばかりにニヤニヤしだした松木と、僕を疑いの目で見てくる秋田に、なんとなく居心地悪い感じがする。



「べ、別に?ただの噂なら飯倉が可哀想だなーと思っただけ、だし。」


「ふーん?」


「ふふーん?」




な、なんだよ?なぜかニヤニヤで連携してくる2人に軽く押されていると、教室に担任が入ってきた。



「リア充嫉妬はいいけどさ、まぁそう熱くならず、今日も1日がんばろうや!」



ムカつくセリフを吐く松木と、何度もそのセリフに頷きながら親指を立てて席に戻っていく秋田を見ていて思わずつぶやいた。



「彼女は、僕の…。」



その続きを堂々と言えるのは、まだ先かもしれないな。

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