第2話
僕、
もちろん僕は彼女のことを知っていた。なんせ学校一の美女だって騒がれていた子だったから。
入学してすぐは特攻した男子からの告白を切っては捨て切っては捨てして、今日は何人切りをしただの、今日は同時にされて断っただの、最終的に彼女が誰を彼氏にするのか、各クラス盛り上がった。
高校に入学したら彼氏彼女がいないと寂しい、なんて根拠もない不安に襲われ、みんな積極的に"狩り"に勤しんだ。正直、まだ知り合って間もないんだからすぐに相手を決めるのは無理がないのか、平凡な顔に生まれてモテそうにない自分は、そんな慎重派を気取ってダラダラ過ごした。
結果、【高嶺の花】に彼氏はできなかったが、各クラスのパリピ勢を中心にGWに入る頃には彼氏彼女がいる勝ち組がちらほら見えるようになっていた。
もちろん僕は、友との友情を育むのに忙しく勝ち組にはなれず。中学から一緒にいる
GWは映画を見に行ったり、いわゆるオタクな町をぶらついてみたり、ゲーセンに行ったりと、ごく普通の男子高校生の休日を送れたと思う。
ちなみに僕の家はGWに旅行に行くような素晴らしい家ではないので、友達と遊びに行く合間でショッピングモールに家族で出かけたくらいなものだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます