天上の血

第48話

「あの女、性格も顔も悪い上に、友人の選び方もなってないのね。こんな庶民の芋女と付き合うなんて。」

「…。」

突然吐かれた暴言はもちろん私を大いに呆れさせた。

初対面だよね？遠巻きに見えたことはあるけど。初対面だよ？

呆然とする私を有栖美月はジッと見つめ、そして小さく首を振った。

「もしかして、と思ったんだけど。この女じゃないわね。やはり香坂真姫が。」

ギリリ、と下唇を噛んだ有栖美月は、もう一度私を一瞥すると鼻で笑って去っていった。

護衛か知らないけども彼女の後ろにいた男２人は、私を下から上まで舐めるように見て、鼻で笑う。

あー、爆発しそう。少し遅れて有栖美月を追いかける２人の背中を見ながら、笑顔で中指を立てた。

やっぱり性格最悪だわ。あれと結婚したら私は蓮水氷鷹を残念男に認定する。これは決定事項だ。