第42話

「なんでいるの?」


「知らん。コネとか?」


「うちの大学がはく付けたい、とか?」


「そうなんかな?」



首を傾げる真姫に苦笑い。それにしても、偶然もここまで続くと怖いわ。



「なんか、最近よく見るね。」


「君がね?」


「…まぁ。でも真姫の方がよく見るでしょ?」



親戚なんだし。と心の中で続ける私に、真姫が何かとんでもないものを飲み込んだみたいな顔で答える。



「なんだその顔は。げんこつか?」


「親戚ではあるけどまさかの誉人様にそんなに会うわけないわ。人生でまだ数えて10回も会ったことないのに何言ってんだこいつ?という顔を表現してみました。ここ最近で4回も会った水無瀬様。」


「…そう考えると怖くなってきたわ。」



拳を握る私に笑顔で毒づく真姫の言葉を聞いて、本格的にわけ分かんなくなってきた私。やっぱりこの間のバイト先での騒動が効いているようだ。



「でもバイト先にはもう来てないよ。」


「たまたまケーキがいるんならなんであそこ選ぶかね。あの時期あの女が選ばれたって噂になってて阿鼻叫喚だったわ。特に有栖家がね。」


「…それはそれで嬉しそうだね。」


「うぃ。」



にんまり笑う真姫に笑いがこみ上げた。

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