第34話

俺も男であり、生理的に湧き上がる性欲はどうしようもない。声をかければ女がついてくる立場でもあったから、それなりに付き合った女はいたように思う。



確かに気持ちはなかったが、恋人という立場であるからには俺なりに丁重に接してきた。


しかし初めは好印象を持っていた女も段々と調子に乗ってくる。



自分は誉人の恋人だとそこらじゅうに言いふらす女もいたし、逆に人前で俺に命令口調で威張りだした女もいた。



誉人である俺がひれ伏しているのが自分だと周りにアピールしたかったんだろう。



中には跡継ぎを妊娠したと言った女もいた。その子は次の誉人であり、自分はその母親だと。



その女がそんな妄言を吐き出した頃には、仕事が忙しく、あまり会えていなかった時期だ。関係を持った時間からも逆算して俺の子であるとするには少し違和感があった。



結局、その女を泳がせていればいつまでたっても腹は膨れず。結局虚言だったのが判明した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る