第35話

驚いたのは、かなりの確率で俺の子を妊娠したと言う女が出てきたことだ。



跡継ぎができた。次の誉人だ。妊娠騒ぎを起こす女は決まってそういったことを言った。



そもそも、根本から違うというのに。



誉人の子は、誉人にはなれない。



長い歴史がそう教えているというのに。



俺と血が繋がっている、ただそれだけの理由で、俺の子供が誉人となると思い込んでいる奴らは、”常識”を自分の都合で歪曲する。




俺の子は誉人にはなれない。



誉人とは、神が気まぐれに選んだ者がなれる。俺がたまたまそれに当たったからといって、俺の子がそうなるはずもないのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る