第26話

テンション上がったオーナーが時給上げてくれるかも。そう思っていた私の前に。



「全商品、2つずつくれ。」


「…。」



デジャブが。ん?デジャブ?あれ?一昨日経験した気がするんだけど?



首を傾げる私の前にまた、誉人、蓮水氷鷹様がいる。しかも、頼むのは一昨日と全く同じ。


「…ありがとうございます。7万1320円です。」



打つまでもねぇ。一昨日のことははっきり覚えておりますので、ええ。



「…これで。」


「あっ、少々、お待ちください。」



そうよね。クレカでお支払よね。待ってください。総額は覚えているんですが、実際にレジに打ち込まないといけないんです。



焦りで顔を熱くしながらも急いでタップしていく。



「あれ?」



総額6万9820円。どこか打ち忘れている。



「すみません。少々お待ちください!」



1つ1つ見直すも、頭に入るたびに1個ずつ抜けていく。



今の私は完全に、蓮水さんを前にただ焦るアホだった。

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