第10話

「ねぇ、行かない?」



男と私の出会いのきっかけは、友人である香坂真姫こうさかまきのそんな一言だった。



「どこへ?」


主語はどこへ?の意味も込めて返した私に笑顔を崩さないまま真姫が続ける。



「今度本家主催のパーティーがあるの。友達枠があるから七緖なおも誘ったげる!」


「それって、美味しいもの食べ放題ってこと?」


「あのね。この友人枠を手に入れるために毎年流血騒ぎになるわけ。なのにホテルのビュッフェ券と勘違いしてない?」


「違うの?」


「まぁ、違うくは、ないか。」



【誉人】である蓮水氷鷹はすみひだか



神に選ばれた蓮水家の現当主。今は確か26歳。



この国には今、誉人が存在する。



誉人。神が授けたギフトを賜りし者。



それは本当に神が気まぐれに血を垂らしたかのごとく、世界のどこかに突然生まれる。



誉人は人よりも優れた存在であり、この世を支配できるほどの才能に溢れた者。



”この時代”の誉人は日本に生まれた。



蓮水氷鷹はすみひだか四季正臣しきまさおみ。彼らは神に選ばれし誉人だ。



誉人は基本、元々力のある名家に生まれることが多い。

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