守る

第65話

「蓮が・・・お前に謝りたいんだと。」



「・・・そうですか」



「どうする?会ってみるか?」



「・・・・・奏が一緒にいてくれる?」



「ああ」



「今会わないと、会いづらくなることは分かるから。

でも、倉庫には行きたくないかな。」



あの総長部屋には二度と戻りたくない。それに歴代の総長が使ってたってことは・・・私は奏をチラリと見た。

胸がチクンと痛んだ。




「俺はあの部屋は使ってないからな・・・」



あきれた目でこちらを見てくる。



「・・・うそ」



「ほんとだよ。まあいつもラブホだったからな。やることやったら金と女置いてすぐ帰ってた。性欲処理で手は着けるくせに信用はしないから俺のテリトリーには一切入れなかった。・・・軽蔑するか?」



「・・・んー、女の人は奏のブランドに寄ってきたんならお互い様な気はするけど、やっぱり私はセフレなんて認めたくない。

でも、奏のこと、軽蔑はしない。だって今は悔やんでるんでしょ?」



「ああ」



「悔やんでる人間を軽蔑なんてしないよ?」



「そうか」



「うん」



奏は嬉しそうに微笑んだ。



「実は学校のことなんだけどな。学校の間だけ白虎がお前に付くことになる」



「・・・え?」



な、なんで?



「実はお前の居場所が妹にバレた。」



「・・・・それで?今度は奏を?」



「ああ」



私の居場所が、また奪われるのか。

自嘲的な笑みが漏れた。



「・・・おい」



奏が低い声で唸った。



「お前、俺があんな女になびくと思ってるのか?

ふざけるなよ?さすがの俺も本気で怒るぞ?」




奏のゾッとするような、冷ややかな目に、胸が軋んだ。

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