共闘

第63話

私は奏の家のドアの前にいた。




(ああ、帰ってきてたんだ・・・)




安堵して扉を開く。




玄関には奏の靴とピンクの可愛らしいミュール。




吐く息が震えながらもリビングに向かうが誰もいない。




ふと寝室から女の高い声が聞こえた。




行っちゃいけないと心が叫ぶが足は自然と寝室へ行く。




扉を開いた瞬間予想していた光景が映し出される。




奏とまりかがベッドの上で絡み合う。




深く深く繋がる二人を呆然と見やる。




まりかがこちらに気付いて、ニヤリと笑う。




「はぁん、・・・ねえ、奏?」



「んっ、なんだ?」



「愛してる?」



「もちろんだ」



「ヤらせてくれないゆいかよりぃ?」



「ああ、お前がやっぱり最高だな」



「じゃあ私と結婚してくれるぅ?」



「ああ、すぐにあいつは捨てる」



「・・・だってぇ、ゆいか!」



振り返る奏。その目はいつもの優しい眼差しではなく軽蔑。




私は両耳に手を当て嫌々をするように震える。





「いやああああああーーーーーー!!!」

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