新城家お宅訪問
第47話
とりあえず顔見せということで会社を後にした私たちは今新城組の本家に向かっている。
蓮がいないということなのでとりあえず安心だけどやっぱり不安は拭えない。
それに組長さんが気に入ってくれるかどうか・・・
不安を隠せない私を奏が肩を抱き寄せた。
奏の胸によりかかり、奏のさわやかな香りがして、段々落ち着いてくる。
夜はいつもあの日のことがフラッシュバックして夜中にうなされていた。
激しく暴れて泣く私をいつも奏が抱きしめ、私の部屋から奏の寝室へ移動させる。毎朝気が付くと奏に抱きしめられながら眠っている自分に気がつく。
一度聞いてみた。こんな面倒くさいやつ捨てていいよって。
そしたら、
「愛してるからするんだ。面倒くさいやつなんて思ったこともない。次に俺の気持ちを疑ったら朝まで分かるまで抱き潰す。」
と唸るように言われたので口をつぐんだけど内心泣き出しそうなほど嬉しかった。
だから最近、奏の匂いを嗅ぐと落ち着く。・・・変態チックだけど。
「落ち着いたか?もうすぐ着くぞ?」
奏が言ったと同時に明らかに日本家屋の金持ちの家って感じの塀が見えてきた。
「・・・この家ですよね?」
そりゃー4畳半アパートとは思ってなかったけど、ここまで予想通りだとさらに気負ってしまう。私はふさわしくないんじゃないかって・・・
「お前は俺が選んだってだけでむちゃくちゃ価値があるんだ。俺の女として堂々としてろ。バカにする奴は俺が葬ってやる。」
奏専用の葬り場所でもあるのだろうか?
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