気持ち

第40話

私の心はまっ黒だった。



蓮を失って、心にぽっかり穴が開いた。



そんな私を奏は責めるわけでもなく、何も言わずに寄り添ってくれた。



この安心する気持ちは何なのか、まだ分からない。



なにより、また恋をするのが怖かった。



奏は急かすわけでもなく、常に寄り添い、不安定で泣いていることがあれば背中をさすってくれた。



そんな日が2ヶ月続いた。



私はまだ不安定ではあるものの、精神的には少し落ち着いてきて、家で留守番できるようになった。


奏は昼間の社長業をパソコンでしていたのを会社で出来るようになった。



これまで、若頭としての仕事は寝ている私を自室に運んで横でしていたらしい。



それは私がうなされてろくに寝れないから。



常に寄り添い支えてくれた奏に対するこの感情は・・・



けれど私はまだ素直になれずにいたんだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る