第38話

ゆいかに初めて会ったとき、寂しい目だなと思った。本人は卑屈に捉えているか黒髪に切れ長の目、高い身長にすらっとした体。誰が見てもいい女だ。



まりかとは正反対の容姿。ホントに双子なのかと初めは驚いた。



ゆいかは何も言わないが兄貴の昴の話じゃ家でいいあつかいを受けて来なかったらしい。



守ってやりたいと思った。



だからすぐに告った。



告白するとびっくりした後はにかんだ笑顔で頷いてくれて、心が踊った。



それからはますます好きになる一方だった。



けがをした奴が帰ってくれば真っ先に救急箱を持って駆けつけるし、下っ端も幹部も関係なく接する。



恋人なのに倉庫以外どこにも行けない俺に不満そうな態度すら出さない。白虎の奴らもみんなゆいかのことをちゃんと姫として認めていた。

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