第33話

side昴



昔から正反対の双子だった。



感情を激しく出すまりか。

感情を出さないゆいか。



いつからだろう、両親がまりかだけを見るようになったのは。



いつからだろう、俺自身、ゆいかを見なくなったのは。



昔から子供らしいまりかを両親は溺愛していた。



実際、両親からのゆいかへの扱いは虐待と言ってもいいくらい酷いものだった。



だから、俺くらいは妹たちを平等に扱おうと同じように接してきた、つもりだった。



でも実際そんな俺でさえ、無意識の内にまりかを優先させていたらしい。



実際、まりかの嘘をろくに調べもせずに信じた。



敵対する黒蛇(コクダ)というチームの下っ端がゆいかとの関係を事細かに語り、ヤッてるときの写真も出回っていて、言い訳じゃないが、それで決定打になった。



しかし、目が死んだゆいかが出て行った後、蓮と手を繋いで出てきたまりかに問いただすと、全ての真相が明らかになった。

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