第27話
気が付けば全身、脂汗が吹き出し、身体はガタガタと震えていて・・・
吐き気が強まり道端に停めてもらい道端で胃液を吐き出す。
「ごめんゆいかちゃん。」
隼人さんはとても申し訳なさそうに眉を下げているけれど、私にはそれをフォローする余裕すらない。
すると、今まで黙っていた奏が口をひらいた。
「ここまで拒否反応出るのは普通じゃない。お前まさか総長部屋で2人のことを見たのか?」
私は弱々しく頷く。
「はぃ。私が入ると最中でした。深く繋がる2人、匂い、全て覚えてます。妹だけ立ち尽くす私に気付いていて激しくとせがんで・・・
みせつけられちゃいました。
・・・愛していた人でしたけど、今は嫌悪感しかありません。」
自分を嘲笑しながら答える私は、突然、奏の香りに包まれる。
「・・・わりい。辛いこと思い出したんだな。本家にはあいつがいない時に行こう。俺の嫁にするには親父への挨拶は絶対だからな。」
ニヤニヤしながら言う奏に私は吹き出してしまった。
「結婚は諦めないんですね?」
笑った私の顔になぜか奏は釘付けだったけどハッとすると、
「当たり前だ。お前が一生必要なら嫁にするしかないからな。」
一生という言葉に何故か少しの幸せを感じた。
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