第23話

しばらく、泣くと、




「ゆいか。」




奏が優しく私の名前を呼ぶ。




「俺の女になれ。」




彼は甘い笑顔で私の耳元に口を近付けて囁いた。



だけど私は恐怖を感じた。また裏切られるのは耐えられない。



「・・・でも私、何回もレイプされて汚い。」



「お前は汚くなんてない。犯した奴は俺がこの世から葬ってやるし、今すぐ抱けるほど欲情してるから心配ねぇ。」



だ、抱けるって・・・・・



「親にも捨てられた要らない子だし?」


「俺が要るし。」




「お金300万しかないし?」


「俺に金が無いように見えるか?」




「あなたのこと、安心するし、ドキドキするけど、恋なのかは分からないし・・・」


「確実に惚れるから大丈夫だ。」




「・・・・・浮気?」


「もうお前にしか反応しねえ自信がある。」




「・・・・・じゃぁ、じゃぁ!」


「もう黙れ。」



ぎゅっと抱き締められて耳元で囁かれる。



「お前はもう、俺のものだ。」




なんて自信満々で言うから、思わず頷いちゃったじゃないか。




この安心感が何なのか、気付くのはもう少し後の話。

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