第14話

そんなことを考えていると、奏さんは車から降りてきて私の目の前に立ち、口角を上げた。




「じゃぁ俺がお前を買おう。」





「・・・・・は?!」





な、何言ってんのこの人。




呆然と見る私になおも続ける。







「要らない命なら俺に寄越せ。」






・・・この人は頭がおかしいらしい。




しばらく考えた。


この人の酔狂に付き合ってからでも遅くはないのでは?と何故か思った。




「言いたいことは分かりました。そこまで言うなら私がこれから死ぬことは変わりませんが私自身のことをお話します。

それからまた考えて下さい。」




「・・・いいだろう。」




満足そうだけど汚い私を知ればこの人も考え直すはずだ。




「ここじゃなんだから話できるところに行こう。とりあえず車に乗れ。」



「分かりました。」



私は大人しく乗ることにした。


私と奏さんが乗ると前の2人が話しかけてきた。

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