第12話

「あの、もう私には関係ないことなんでどっか行ってもらえませんか?」




きっと賭けは負けだろうから、その辺のゲーセンの子にでも渡してこんな世界から早くおさらばしたい。



奏さんはそんな私の顔を見て、何故か哀しそうな瞳を揺らした。



よっぽど私より泣いてしまいそうな奏さんに戸惑ってしまう。



「・・・あの、大丈夫ですか?」




思わず口走った私に奏さんは柔らかく笑った。




「・・・ああ、大丈夫だ。」




何故か私の頬が染まる。


蓮はどちらかと言えばワイルドで明るい

人だった。



蓮が動なら彼は静。



静かに微笑む彼に目が釘づけになった。



ふと車前方を見ると、前に乗っている2人がこっちを凝視している。

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