ヴァネッサ様
第23話
とにかく、入学初日のイベントは、ほぼ終わった。これから仲良くしていきましょうね!というヒロインに賛同した3人は、珍しい聖属性を持つキャロラインを気にかけるよう、皇王に言われていたこともあり、交流を広めていく。
数日後の放課後、なぜか男爵家の迎えの馬車が来ていなくて困っていたキャロラインを見かけた皇太子が声をかけたことで、違うクラスである残りの取り巻き、ラビットとラミトも無事ヒロインとの再開を果たすのだ。
で、だ。白目を向いていた私はハッと気が付き、教室の出入り口へと視線を向ける。
(でっ、出たー!)
推し来たぁ!
同じ制服に身を包んでいるとは思えないほど素敵に着こなしていらっしゃるヴァネッサが、キラキラしている扇子を持って室内に入ってきた。後ろには従者が3人。異例も異例。ヴァネッサだけは家の大きな権力を駆使して従者を3人に増やし、その我儘要素を増長させるのだ。
(ふおおおおー!す、素晴らしい!)
エグいほどの色気。従者も女性1名に男性2名だが、そのどちらも見目麗しく、なによりやり手感を出している。
「ふわわわわー、綺麗な人ぉ。」
うんうん、ヒロインよ。お前のいつものあざと発言もまぁ許そう。だって!ヴァネッサ様は世界一素敵な人だからぁ!
内心天を仰いで叫んだ私は、生ヴァネッサを見るのに忙しくて、すぐそばにいるヒロインを除いた3人が苦い顔をしたのを見てはいない。
「あら、殿下、ご機嫌よう。」
ふぉっ!このご機嫌ようで1日元気に過ごせる!ありがとうございます!妖艶な声は、私が唯一検索した声優さんの声。その"おまけ"で、他の声優たちが将来有望なのに気づいたのだ。ちなみにその声優陣の中でも、ヴァネッサ様の声優さんはもう売れ始めていた。
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