第19話
属性といっても、みんな全属性使えるは使えるらしい。まぁ得意不得意の問題というか。
例えば、ゲームでよくあるマジックポイントが100あるとする。水属性のミカエルが「水よ唸れ!ウォーターカッター!」を使った場合、消費ポイントは5。同じ威力だけど適正属性でない、「怒りの炎よ、我に力を!ファイアーボール!」を使えば50消費されてしまうのだ。ちなみに、呪文は私がこれだったら嫌だな、と勝手に考えたものである。
誰もいない庭でウヒウヒ言いながら考えるのは、楽しいといえば楽しかったけども。
人には無限の魔力なんて存在しない。適正属性以外の魔法を使えば、それなりの代償が存在するようだ。
…どの属性使ってもあまり疲れなかったけど。
まぁ、主人公であるヒロインちゃん以外は他の属性は持っていない。モブである私が複数の属性を持つなんてまずありえないだろうと、浮かんだ疑問をすぐさま消し飛ばした。
Sクラスにアイクを伴って行けば、室内にはまだ数人しかいなかった。もちろんそれぞれ従者を連れているので、生徒の数で数えれば2人か3人くらいだろう。”スチルで見知った”人物はいなかったため、とりあえず教室の1番後ろの窓際に陣取る。私が座った途端、アイクが心得たとばかりに机の上に筆記用具などの必要なものを並べてさっと真後ろに立った。こういう所は優秀な男よね。クスリと笑みがこぼれる。
窓の外を見れば、私が知っている学校とはかけ離れた壮大な光景が目に飛び込んでくる。Sクラスは優秀だけでなく、家格も申し分のない子息子女の集まり。だからこそ、教室からの景観もきちんと整えているんだろう。
見渡す限りに広がる庭園。すみからすみまできちんと整えられていて、お茶会ができそうな広場もある。もちろん、素晴らしい装飾をされているガゼポもあり、そういえばあそこでヒロインが皇太子に愛の告白をされるなと嫌なことを思い出して顔をしかめた。
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