第18話

ちなみに、同じSクラスは他にヒロインのキャロライン・ラングレー男爵令嬢、愛しのヴァネッサ・ローズ公爵令嬢、ミカエル・ドラグーン皇太子、宰相の息子であるカチュア・スイム侯爵子息。



ラビットがBクラス、辺境伯家令息のグレゴリーと大商会の息子であるラミトはAクラスである。



でも、と入学式までの期間、考えていた私は思った。



ーーーこれって、結構好条件じゃね?と。



ヒロインの親友ポジということは、アシュリーはモブとはいえ結構優秀な子のようだ。家は子爵家と少々物足りないけれど、色々やってみた所魔法の才能もあるし、勉強も一度教科書を読めば理解する。あれだけ勉強してもそれなりの所にしかいけなかった前世に比べれば、アシュリーはかなりスペックの高い女性だ。



これから近い内に入学するに当たって、クラスで魔法属性鑑定を行う。学園に通えない平民や貧乏貴族の子供は、同じ15歳の年に教会で鑑定してもらうのだけど、この世界に存在する学園と呼ばれる学校に通う子たちは入学すれば自分の属性を知れる。



だけどだからといってそれまで魔法が使えないということはなく。実はこっそり家の図書室から拝借した魔法本を見てやってみた所、どの属性もとりあえずはできそうであることが判明した。




まさかの異世界転生で理不尽に前世の人生を終わらせられたけど、どうやらテンプレ展開らしくアシュリーはかなり優秀な子らしい。



ちなみに、ヒロインちゃんはとても珍しい聖属性。ハーレムしちゃうアバズレのくせに、清い属性持ち。



対して生い立ちが壮絶で不幸路線一直線のヴァネッサは闇属性。かっこいいけどやっぱり可哀想だ。



ミカエル皇太子は水、カチュアは火、ラビットは土でグレゴリーは雷、ラミトは風と、それぞれ一つずつ。主人公権限でヒロインは、高確率で後半、攻略対象者と同じ属性を2つ目として発現する。ちなみにハーレムルートでは全属性解禁。といってもゲームの中で存在する属性とは、ゲームのシナリオ進行を解禁するための手段としてやらされるパズルゲームで、その色のギミックが出やすく、パズルを有利に消せるそれぞれの属性に見合った必殺技が出せるという、システム上必要な要素。



魔物に対して使っている描写やいわゆる生活魔法と呼ばれるものを使っている描写が出る程度で、まぁこのゲームでこういう要素入れたらファンタジーっぽいなってだけの設定のような気がする。



そんな中で、アシュリーの魔法に対する描写は皆無。そこはどうやらモブらしく困っちゃうことにどの属性を主に使えるようになるかは今から魔法属性鑑定までのお楽しみらしい。

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