第9話
私は理不尽にも現実世界で死んでしまい、この別の現実世界で生まれ変わってしまったらしい。
しかも、あのアシュリー・ケイスとして。
もうすぐ学園入学。
これから起こることがすべて分かっているからこそ、湧き上がる絶望感。
ここまで来るともう、修正は利かないだろう。
私はもうすぐ学園に入学して、キャロラインの親友になる。
彼女が誰を攻略するかは分からないけど、ヴァネッサは断罪され、かなりの確率で死んでしまう。
そしてその、彼女の人生終わりを迎える幕を引く手伝いをするのは、他ならぬ私なのだ。
それに、もう学園入学ということは…。
ラビット・カラトラバ。カラトラバ伯爵家嫡男で、騎士団長の息子、攻略対象者。
すでに彼も、アシュリーの婚約者であるということ。
このアシュリーのキモ…ゴホン、奇特な所は、ヒロインちゃんがラビットルートに入った時、自分はラビットのことが好きだったのにあっさりとヒロインちゃんに婚約者を譲り、祝福して生涯2人を支えるという役回りだから。
すべての攻略対象者のルートの中で、唯一人生を破滅させられない元婚約者でもある。
それは、ヒロインちゃんの親友というポジだからなんだろうけど。
自分の好きな人を取られてしかも、生涯支え続ける?
怖すぎ。そんなの無理でしょ。
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