第7話

そして、それを手助けするのが…。



「アシュリーとか!正義感。アシュリーとか!いっちばん嫌いなキャラぁ!」


「お、お嬢様!お医者様をお呼びしますので!お気を確かに!」



アシュリーの記憶も取り戻したことで名前を思い出した侍女、マーサが部屋を出ていくのを感じながらも、ベッドにうずくまった私は湧き上がる悲しみに動けずにいた。



だって、私は今、理不尽にも死んだ上、このゲームで1番嫌いなキャラ、アシュリー・ケイスに転生してしまったのだ。


アシュリー・ケイスは子爵家の令嬢で、正義感溢れるちょっぴり思い込みの激しい令嬢だ。



主人公、キャロライン・ラングレーの親友であり、悪役令嬢ヴァネッサの前に何度も立ちはだかるなかなかうざい正義キャラ。



主人公は天真爛漫で、そのキャラクター故に色々な男性を虜にするが、アシュリーもその1人。


流石に百合展開まではないが、それを匂わせる場面が多数見られるほどの心酔ぶりで、とにかくアシュリーはキャロラインを背に庇い、子爵家という身分ながらも侯爵家令嬢のヴァネッサに何度も立ちはだかる。

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