第6話
しかも、婚約者を最も目立つ、卒業パーティーという場所で断罪するのだ。
理由は簡単。真実の愛の相手であるキャロラインをいじめたから。
そんな女は未来の皇妃にふさわしくない、と。
は?そんなわけないじゃん。確かにいじめはよくないよ。だけどさ、いじめの内容を考えてごらんよ。
教科書を破る。
足を引っ掛ける。
無視、または衆人の前で立場を貶す発言をする。
噴水に突き飛ばす。
お茶会に呼ばない。
暴言。
そして最後の決めてはよくある階段から突き落としたというもの。
最後の階段から突き落としうんぬんとやらは、実際に突き落とされた人を見ておらず、髪色を見た、というヒロインちゃんの証言のみでヴァネッサと決めつけられている。
確かにヴァネッサの髪色である黒は珍しく、ゲームの世界ではあまり存在しない色。同じ髪色の少女は数人しかおらず、彼女たちの調査は済んでいる、という説明文がチョロっと書かれていたけど。
でもそれを鑑みても、あれはない。
数々の嫌がらせをした結果、どのルートでもヴァネッサは非業の最期を遂げる。
平民堕ちのすぐ死ぬエンド、奴隷堕ちで他国に売られるエンド。国外追放の後盗賊に襲われ行方しれずエンド。娼館に売られ陵辱エンド。婚約者の数だけ、ヴァネッサの不幸エンドは量産される。
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