第45話

「また新しく付き合えばいいやん。凛ちゃん可愛いし。」


「間宮先輩は私より数段美人なのにまだいないですよね。」


「めちゃ核心突くやん。姐さん死にかけよ。」



ガクリとうつむく間宮先輩。この人こそ私の理想。


めちゃくちゃ仕事ができて、姉御って感じのさっぱりとした正確。容姿も抜群に良くて、社内でもモテる。


だけど35歳まで独り身なのは、そんな先輩と相性の悪い男性ばかり好きになるからだと私は思っている。



仕事より自分を優先してほしいかまちょタイプとか、結婚したら家にいてほしい昭和型男子とか。



多分、自分にないタイプを好きになる人なんだろう。真逆の人間って自分にないものを持っているから相性は良さそうだけど、真逆ということは正反対の意見を持っている可能性が高いというわけで。



先輩も気が強いので大喧嘩になって別れるパターンが常らしい。



「まぁ、当分は仕事が恋人ですね。」


「あのね、私はそうも言ってらんないのよ。年齢的にも。」


「…そうですよね。」



毎回先輩と飲みに来る時に陥るしんみりタイム。先輩は子供を生みたいらしく、少々年齢的に厳しくなって来ている。子供を生むには、相手がいるわけで。



「もうまじで考えようかな。提供バンク。」


「それは最後の手段にしましょう。」



パートナーは要らないけど子供はほしい方が利用する、精子提供バンクを利用しようか本気で検討する先輩を私が止める、という〆までが、1連の動作なのだ。

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