第43話
「はぁ?浮気してた?しかも天美と!」
「そうなんですよ。これ。」
「んん?は?はぁあああ?」
面白い。とにかく間宮先輩のリアクションが面白いのだ。
ご丁寧にも、まだあのクソ画像は持っている。見たくもないけれど、家まで特攻してきたヤツのことを考えれば念の為。
それを間宮先輩に見せれば、口元を手で隠しながらも抑えきれない大声が響く。ここは大衆居酒屋。うるさくても平気で良かった。
先輩の顔はというと、なんとも表現し難い奴。他人のアホ動画を見てニヤニヤがこみ上げてはくるものの、動画の出演者が”可愛い”後輩の私の彼氏というのもあって、怒りも感じている。待てよ?ニヤニヤするのは私に失礼なのでは?という罪悪感もあり、すでに私が1杯目を2口飲んでいる間に2杯飲んだ酒量の謎のテンションも端々に見えた。
もはやなんの感情なんだ?と表現に困るその顔は、スマホの画面から視線を外すと、スッとすべてを捨てる。
「もぐ?」
「何を?」
無表情のそれでもぐという言葉。どこを?というのは想像に容易いものだが、私は少女級の乙女なので知らないフリをした。
「なにってちピー!」
「ああああああ!直接的すぎです!」
慌てて先輩の手元にあるビールジョッキを渡せば、反射的に先輩はそれを飲んだ。ホ。
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