第36話
「おはよう。」
「おはようごさいます。」
「はよございます。」
「おはようございまーす。」
「す。」
加持主任の出勤に、私、厚木先輩、間宮先輩、金剛くんが答える。さっきよりちょっとだけかしこまったお返事だ。ちなみに金剛くんはずっと「す。」。
「今日は眠いわー。」
「また夜ふかししたんですか?」
「そうなんだよー。妻が最近ハマってるドラマがあってねぇ。もう13シーズン目に入るそれを1シーズンから観てて。流石に長いねぇ。」
「海外ドラマとかそうですよね。シーズン長すぎて見る気にならないっていうか。奥さん、よく決心しましたね。」
「妻の勇気はいいけど、付き合わされる俺の勇気も褒めてほしいよ。」
いつもの加持主任と厚木先輩の軽快な世間話を聞きながら、デスクに座って電源を点ける。その間にも、心臓はバクバクと爆音を轟かせている。
だってもうすぐ着ちゃうわけよ。あの痴女が。彼女は普段、就業時間10分前に来る加持主任より5分から8分くらい遅れてやってくる。
ひどい時は過ぎてるくらい。そこまでギリギリに来れる方が凄いと感心すらしてしまうほどだ。
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