第25話

「ここで俺が彼氏を名乗ってもいいけど、それじゃ君も浮気女と罵られかねない。申し訳ないけれど、あいつの性格は俺が一番知ってるもんでね。」


と、いうことは、夏生は元からそんなことしそうなクソ野郎ってこと?私って、つくづく男を見る目がないらしい。


めちゃ落ち込む私を余所に、社長が車を降りようとする。



「ちょっ!何してるんですか!」


「ん?従兄弟に挨拶、かな。」


「挨拶って!」



私の車から降りてきて挨拶とか、浮気女って罵られる未来しか見えない。でも、そんなことよりも。


「なんであいつが私の家にいるのか怖くて仕方ないんですから!妙なことしないでください!」



私と夏生は、付き合って半年ほど。春に始まり熱い夏を越えてきたけども、私はまだ彼との関係を進められないでいた。



結果、そのせいでか性欲に完敗してアレ、なんですけども。



成人男性を焦らすのは男慣れしてる程度の分かった悪い女性しかやっちゃいけないのに。そう考えればどんな形であれ、浮気されるのは必然だったのかもしれない。

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