第18話
「で、その彼女は企画部の井倉凛。やけ酒してる時点で君が浮気相手ではなさそうだから。君がそう、だよね?」
チラリと笑う視線がこちらを見る。
身バレしてるわ。バレてる。あの時ヤケで飲酒運転しなくて良かった。よりによって社長に見られてたらクビは確実。スッと体から熱が奪われていく。
体も震えて、もはやこの地は極寒。歯まで鳴りそうで、無意識に歯を食いしばる。
「別に責めているわけではない。君がああなったのはどうやら夏生のせいらしいし。だけど、俺をあの場で拾ったのは君だ。俺もあの場所で少々困ってたからね。これって運命って言葉で片付けられないか?」
「いや、無理ですよね。」
思わずツッコんだ私に、社長が声を挙げて笑う。
「ハハッ、ちょっと気持ち悪い発言だったな。でもまぁ、男女の出会いってそんなもんじゃないか?」
「そんなもんじゃないと、思います?」
否定したいけど、百戦錬磨だろう社長の言葉を否定する絶対的なデータは私の頭の中にはない。だってひたすら浮気されまくられた恋愛ベタな私だよ?相手にもなれないよ。
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