第13話
「…ふむ。」
私のワタワタなんてないかのように、動揺する様子を見せない羽瀬恭介は、ふと何かに気づいたように笑う。まるで何かを企んでいるかのようなその笑みはゾッとするほど妖艶で。人間離れしたその風貌に、周りの環境も影響してこの人が今幽霊だと言われても信じてしまいそうになる。
「もしかして、飲酒運転?」
「いえ!そんなことは絶対に致しません!」
何故か敬礼で大声を出してしまう私。相手は雇い主なのだから、自然と敬語を使ってしまうのも仕方がないことだ。
これで無理やり飲酒運転で事故でもしてみろ。
彼氏はSNSで話題の変態カップル。そのせいでやけ酒をしたであろう私が飲酒運転で逮捕なんて。カオスよカオス。
同じ企画部の人たちは天美千夏以外は良い人たちばかりだからきっと、私に同情してはくれるだろうけど。
彼氏にフラレたヤケクソ女のやけ酒逮捕なんて恥ずかしくて死ねる。
それを阻止するためにも、ここで夜を明かしてお酒が抜けるのを待って、会社を無断欠勤した方が傷が浅くて済む。まぁ、会社の社長を前に無断欠勤の方がマシとか考えているのもどうかと思うけどね。
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