第12話

恐ろしく整った顔、という表現がある。それは、美術的に完璧な配置で理想の形の顔のパーツが並んでいることを意味する。



その説明がはっきりと当てはまる目の前の男は、数々の商業誌や挙句は週刊誌でも取り上げられるやり手。


最近では各SNSでプライベートな目撃情報まで激写されているため、ほぼ芸能人なのでは?とまで言われている。



切れ長の目は少し冷たい印象を与えるけれど、顔全体の雰囲気がやさしげに見える為か不思議と怖い印象はない。


整いすぎている顔だと怖いイメージがあるというけれど、なんだろう、この人の纏う雰囲気がそうさせるのか、人当たりのよいイケメン、という言い方が一番この人には当てはまるような気がする。



勿論スタイルも抜群。常に鍛えているのか、締まった体を纏う一級品のスーツは、待ち受けにしてずっと見ていたいほどかっこいい。



なぜ私が今、この笑顔のイケメンを見上げてある程度詳しく語れるのかというと。



私の務めている会社の社長が、この人、羽瀬 恭介はせ きょうすけ だからだ。

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