第10話

コン、コン。



そんな時だった。車の窓を誰かがノックしたのは。



驚いたなんてもんじゃない。この場には誰もいないのは確認していたはずだし、なにより今は夜中。



めちゃ怖い。


ひたすら前を向いて気づかないフリをしてみるけど、心臓はバクバクいってるし、体中から熱が奪われるような感覚を覚える。



アルコールで鈍っていた頭も、熱いくらいだった体もひえっひえ。そんな時。



コン、コン。

「ヒエッ!」



再びノックされればそれは悲鳴も挙げるというものだ。



ギギギ、と窓側斜め下に視線をやれば、スーツの下半身がちょっとだけ見えた。



で、出た?幽霊って足ないんじゃなかったっけ?ちょっとスタイル良さげなんだけど。イケメン幽霊な方がラッキーなの?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る