第9話
私と夏生が付き合ってたのは周知の事実だった。夏生が営業時間中にも関わらず何かと用事を見つけて私に話し掛けていたのを生暖かい目で見られていたから。
全然関係ないボールペンを持ってきて、落としてましたよって理由つけてた時は呆れて笑ってしまったっけ。
クスリと笑った所で、ハッと気がついた。
込み上がるのは羞恥と怒りと、情けなさ。
「そん!なん!だか、ら!浮気!されん、のよ!」
ブー!ブ!ブ!ブー!怒りに任せて叩いたせいでクラクションが鳴るけれど、そんなの知ったことではない。どうせラストヤンキーは帰ったのよ。今は私だけ。
「峠の、女王、は、私、だけよ!」
なぞの痛い発言をして、散々車内に当たり散らす。そんな中でも頭の中の冷静な部分が時間を計算する。
今2時。8時間後、10時。ここから人里。車で1時間。仕事、9時から。マニアワナイヨー。
知ってらぁ!ブー!
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