第4話

それから20分の間、2人はほぼ最後までいっていないものの破廉恥な行為を繰り広げ…私の最寄り駅の1駅前でイチャイチャしながら降りていった。



夏生の家に電車で行ったことはないけど、私の最寄り駅より2駅は先だったはず。これからベッドになだれ込みそうな2人の後ろ姿を見れば、おそらく天美千夏の家に向かっているのだろう。



もはや言葉も出なかった。



SNS全盛期と言ってもいいこの時代に、会社勤めしている人間が公然とわいせつ行為を晒している現実やそれをしている人間が自分の彼氏であること、そしてその相手が自分でないという事実に。



結果、そのまま私は呆然と家に帰ってすぐさま車に乗り換え、コンビニに寄ってダイエットのため飲まなかった好物のレモンチューハイを大量に買い込んだ。勿論つまみもダイエットなんて関係ない濃くて油ギッシュなラインナップ。飽きを意識して口さっぱり用のサラダも買って、極太の焼きつくね串を手に車に乗り込む。



イライラしながら焼きつくね串を咀嚼しながら峠を攻める。というのは嘘で、夜道で少々怖いので安全運転で山を登った。



山頂は、夏生とも行ったことのある夜景スポット。ちょっとやんちゃな若い子たちが端っこで大声で話しているのを除けば最高の見晴らしだった。




こんな時でも思いついた場所がここって。そんな自分にも苛立って車から降りて崖の端っこに腰掛ける。



ペッとつくね串の串を吐き捨てて、さり気なく拾ってコンビニの袋にしまっているちっちゃな自分を憎々しく思いながらも、次の缶チューハイのプルタブを引いた。

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