第4話 繁盛すれば一部は不幸
真っ赤な世界をぐるぐると混ぜる。
ナポリタンの出来上がり。
「ん~おいしい~」
まだ出来上がりじゃないか。追いケチャップが真の完成なんだよね。
ネウマ譜は音楽を記録する手段であり五線譜の下位互換というイメージがある。
使用方法によっては下線ひとつで事足りるけれど。
夕立は突然降る。
夏の午後、皆が「血気盛んに遊んでいるとき」「熱心に勉学へ励んでいるとき」「料理に取り組みいざ食事をしているとき」
そんな唐突の雨が異常気象により雪へ吹雪へ変化するのもまた、起こり得ないこともない事実。
睦月、如月……文月、葉月………
時が流れるのも、また奇である。
──
石段をひとつひとつ丁寧に踏み上る。
一歩一歩がわたしの行く道。
今、未来、歩く道。
冴えない人生の歩みかた。
遠目に見ればものは小さく映る。
世界遺産や観光地なんて写真でみればちっぽけなもの。そこらへんの鉄塔だって、高層ビルもそうだ。
これが遠近法。むこうから見ても同じ。
そう考えると人を見下すという表現方法は間違っているということがわかる。見下す前に相手とのなんらかな因縁があり、その行為に至るからだ。
見下すではなく上から目線をしあう、というのが正しいだろう。
錆びれたフェンス。
陽光を反射する窓。
ざわめく木々。
降り注ぐ災難に吃驚する人々。
「………」
すれ違い際に迷惑で終わらせる存在。突然に終わる物語。
登山は上りが辛い。しかし、下りも注意しなければならない。滑って怪我をするおそれがあるからだ。
ただし登山としては折り返しのため、楽ではある。
線香花火は寿命がただただ縮むのを見守り続けるひとつの娯楽である。
花火の話をしたとき1,2を争う人気を誇るがライバルである打ち上げ花火とは対義であり、おとなしいのが特徴である。
頑張って頑張って上り詰めて落ちた時には余韻も情景も儚く終わる。
───
ー昨日、樹乱きみだれ町の6丁目で殺人事件が… …先日の連続通り魔と同一犯と…
地球が滅亡すればいいのに。
そんな戯言が安易に決められ目の前に障害として立ち尽くすのなら。
そうなったのなら自分はどう解決するのだろう。
「うっ……」
吐き気が体中を押し寄せる。
体内の空気が暴れまわるようで、胃が体内で回るような感覚。
口内を荒波のように叩きつける。
「血………?」
理解する間もなく余震のようにいや、もはやどこが本震なのか。
嘔吐のように繰り返し、迫りくる苦しみは終わりの顔を見せはしない。再三再四。
反復横跳びのように同じ傾向を再発し一秒たりとも休みをおしまず、まるで同じ時間がループしてるのかと思いきや、永遠の吐血に苦しみは増えるばかり。
2時間経った頃、地獄の体験をして一生分の苦しみを味わったな。と最後に感じる。
もっと終わり方を工夫したかったけれど友人が通り魔に殺されたくらいなんだから選択肢がなくて当然なのだろう。
もはや喧嘩別れをした罪への処罰として受け取ってもらえるなら。
許してほしい。
あそこで祭りを終わらせたわたしのこと。
あのタイミングで皆を家に返したこと。
自分の気まぐれで不幸に合わせたこと。
このタイミングで謝ったこと。すべてのことを。
息絶えれば言葉も発せず。
考えは行動より言葉に変えるほうが最善であるとばかりに。
確率の低いものは、結果に出ているからこそ数字に変えられているわけで。
自分が生まれたことと比べればしょっちゅう起こりえる事象なわけで。
3連続嶺上開花で和了ろうが、当たり前に海底撈月が出ようが自分の人生には変えられるわけもなく。
いつか当たり前のように同じ思想の人間が現れて、人が理解できない世界になって。
そうなってもわたしの人生には干渉できないし変えることもできない。
───
「桃………ちゃん……が?」
知りたくないこと、嫌なこと。
噂やニュースで耳にして。
いつか自分に伝わってやーややーやと催促されて。
知らない場所では人が生まれ、それとは逆に人が死に。
恋が実れば恋を失い。
何も考えずだらだら過ごし、ときに出掛けて遊んで学んで。
店を始めて繁盛すれば他店は売上が伸びない。
戦争が始まり平和が訪れ、人は知らずにやりたいことをして。
どれもこれも運命で。
幸せは人それぞれの価値観で決まるこであり…
そんなこんなと考えていてもいつかは忘れて時が流れて。
いつか皆が幸せになれる居場所を皆で見つけたい。
繁盛すれば一部は不幸。
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