誕生日
第2話
おばあちゃんと私達5人での生活は大変だったけど、全然苦じゃなかった。
「
「ダメ!節約するって言ってるでしょ?色はすぐ物を欲しがるんだから」
色は残念そうに肩を落とした。私達は今、ショッピングモールに買い物にきている。すれ違う人達は、皆揃って物珍しそうな顔で私達を見ていく。確かに5つ子が生まれる確率は極めて低い。それなのに、お母さんは母子ともに健康な状態で私達を産んだらしい。本当に奇跡のようだったと、いつだったか話された記憶がある。
「今日はおばあちゃんへの誕生日プレゼントを買いにきたんだよ!?他にも買いたいものはあるんだから…余計なことはしません!!」
音にまで怒られた色は「はーい…」と言ってやっと大人しくなった。
「あれ、歌!?歌がいなくなった!」
歌は基本マイペースで、1人でどこかにフラフラと行ってしまうことがよくある。 だからずっと私が隣にいたのに…!なんでまたいなくなってるわけ!?
「あ!いた、歌ー!ちょっと何してんの?」
見つけた英が、慌てて歌の元へ走っていく。私達も急いで後を追った。
「え?あー…可愛いなぁと思って」
まさか…。
歌が指差した方を見ると、案の定狐のぬいぐるみが山積みになっていた。
「歌って、本当に狐好きだよねぇ。狐がある時だけ行動めっちゃ早くなるもん」
「狐は、正義だよ」
「わかった。もういいから早くおばあちゃんの誕プレ、買いに行こう?」
なんとか歌を狐のぬいぐるみから離し、私達はお目当てのお店に向かった。
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