第4話

 私は耳を疑った。佑紀君が本当にそんなことを言ったのか。幻聴かとも思ったが、佑紀君の顔はいたって真剣だ。

「結婚って…でも何で?私達まだ大学2年生だよ」

いくら佑紀君が本当は2つ年上だったとしても、私にとっては早すぎるくらいだ。

「歩ちゃんのおばあさんが亡くなる前に、結婚式をあげたいからだよ。ウェディングドレス姿、見せるんでしょ?」

佑紀君が私を強く抱き寄せた。足がもつれてよろけそうになるが、その時にはもう長い腕の中だった。

「…て言っても、結婚式自体今すぐできるわけじゃないんだけど。報告くらいはできるじゃん」

「うん、ありがとう。そうだね。結婚しよう」

私達は次の日、お互いの両親にこのことを話した。


結婚することになったから、私達は新居での同棲を始めた。引っ越しに少し時間はかかったけど、これからは一緒に暮らせるんだ。楽しみじゃないわけがない。私はベランダに出て、空を見上げた。空は青く綺麗に晴れている。優しく吹く風が心地よかった。

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