第2話
「じゃあ、あゆとゆう君の子供は、優しくて素直な可愛い子が生まれるんだろうねぇ」
いつも大学では一緒にいる、
「ちょっと、どんだけ未来の話してんの?」
「まあ…別れたら子供なんて関係ねぇよな」
もう1人のいつメンである
「あんたはいつも一言多いんだよ!」
智菜が帆貴の頭を重いっきりグーで殴る。智菜と帆貴は同じ高校出身で部活の部員とマネージャーだったということもあり、遠慮というものはまずない。
この2人、いい感じだと思うんだけどなぁ。気分屋な智菜と結構俺様気質な帆貴。
ケンカップルって感じになりそう。お互いに意識はしてないっぽいけど…。
「歩ちゃん、1人の世界から帰ってきて」
「お!ゆう君おかえり〜」
佑紀君は「ただいま」と言いながら私の隣に座った。私と佑紀君が付き合っているということは、智菜と帆貴も知っている。その時、私の携帯の着信音が鳴った。
「あ、お母さんだ。ちょっとごめん」
滅多に電話をしてこないお母さんからの電話は、少し嬉しかった。ワクワクした気持ちで電話に出る。
「もしもし、お母さん?」
『歩、おばあちゃんが入院しちゃったの…!』
電話の向こうから聞こえるお母さんの声は震えている。おばあちゃんは元々心臓に持病を抱えていた。でもそれはべつに問題ないと言われていたのに、どうしてこんな急に…?
「入院って…でも軽いやつでしょ?」
どうか、そうだと言って…!心の中でそう祈る。
『そのことを話すから、今すぐ病院にこれない?できれば、佑紀君も一緒に』
「佑紀君も…?どうして?」
『あなた達の将来に関係してくるからよ』
つまり、このことで私達の結婚が早まるかもしれないということだろう。
「わかった。すぐに向かうね」
電話を切り、私は急いで佑紀君とおばあちゃんが入院する病院に向かった。
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