第18話
夜宵さんとその不倫相手の人は、夜宵さんが仕事終わりにたまに行くバーで知り合った人らしい。16歳年下で、向こうから口説いてきたと言う。しかもその人は人妻好きで、夜宵さんが付けている結婚指輪に気付いて声をかけたそうだ。
「そろそろ帰る?たくさん話せたし」
空になったカフェオレのカップをテーブルの上に戻しながら千晶さんが言った。スマホを開いて時間を確認してみると、既にお店に入ってから3時間が経っていた。
「そうですね」
由佳ちゃんも立ち上がり、スマホしか入らなさそうな小さなバッグを持つ。わたしも立ち上がって伝票を取ろうとしたら、夜宵さんの手と重なって、それがおかしくて2人で吹き出した。
4人で集まった2日後、駅の近くで仕事の帰りに千晶さんの旦那さんとすれ違った。隣には何やら親しげな様子の、見たことのない若い男の子を連れていた。
「
「そんなの、
2人が腕を組んで入っていった建物を見ると、いかにもな雰囲気のラブホテルだった。わたしには気付いていないようで、部屋を選択するとホテルの奥に消えていった。
思わず着いてきちゃったけど、結構マズイところを見ちゃったな。
慌てて引き返してマンションまで急ぐ。その間、ずっと胸がザワザワしていた。家の鍵を開けて入ろうとした時、隣の部屋のドアが勢いよく開き、血相を変えた千晶さんが出てきた。
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