第5話
翌日、わたし達4人は近所のカフェに集まった。昨日の夜、皆から心配のメッセージがきて、今日こうして集まることになった。
「昨日のは、やっぱり輪君と沙保ちゃんだったみたい。見間違えなんかじゃなかった…」
目の前にあるホットコーヒーは、わたしの気持ちを映すかのように、不安げに揺れている。
「それは…本人に確かめたの?」
夜宵さんが机の上で手を組みながら聞く。
「―確かめる前に証拠を見ちゃって」
「証拠って-…」
「沙保ちゃんからのメッセージ。見た感じだと、かなり前から関係は持ってたっぽくて」
わたしは夜宵さんの言葉を遮って、ひと思いに話す。由佳ちゃんはジトっとした目でわたしを見つめている。
「その沙保さんって人は、麗名さんの旦那さんと不倫関係にありながら、仲のいい可愛い後輩を演じてたんですか?」
「由佳ちゃん、言い方」
不機嫌そうに言う由佳ちゃんに千晶さんが注意をする。
「それって、かなり嫌な人」
まだ若いだけに純粋で素直な由佳ちゃんの言葉は、最近の大人のように歪んだ考えをしていない。だから真正面からくるその正直な物言いは、わたしの未熟さをより痛感させた。
「そうだ、麗名ちゃん来週末高校の同窓会あるって言ってたよね?そこでパーッと遊んできちゃいなよ」
千晶さんはイタズラを企むような笑みを浮かべた。
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