いざっ、夏休み!〜遊園地〜

第8話

 『8月4日にあたしと大輝と聖夏と充玖の4人で遊園地行こ!』

 課題を充玖の家で教えてもらいながらやっていると、そんなメッセージが穂南から届いた。慌てて部屋に掛けてあるカレンダーを見る。今日は8月3日。頼むから前日に言うのはやめてほしい。私は暇だからいいけど、充玖の方はどうだろう。

「ねえ、充玖〜。明日ってさぁ、暇だったりする?」

 一度シャーペンを置いて、テーブルの向かいに座っている充玖に聞いてみる。

「明日?急だねぇ。ちょっと待ってよ」

 充玖は「どうだったかなー♪」と鼻歌混じりに言いながら、スマホのスケジュール管理のページを開いた。

「えっと、うん!明日なら1日ずっと大丈夫だよ」

 意外にも1日ずっと大丈夫らしい。いつもならショッピングやら、お菓子づくりやらで予定が埋まっているのに。

「じゃあさ、穂南と大輝と充玖と私の4人で遊園地行こって言われてるんだけど。行く?」

 スマホを顔の横で振りながら尋ねると、充玖は嬉しそうにうなずいた。

「わかった、じゃあそう送っておくね!」

 『充玖も私もOKだよ!』と返信をし、それから『何時にどこ集合にする?』と送った。穂南は返信のスピードがすごく速い。さっそく既読がつき、『駅前に8時でどう?』とメッセージがきた。

「駅前に8時だって」

「はいはーい!じゃあ遅れないようにアラームかけなくちゃ」

 了解のスタンプを送って、私達はまた課題に戻った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る